ソウルより:グッチ オステリアのシェフにQ&A
Q. グッチ オステリアで出している料理で最も気に入っている料理は何ですか?その理由も教えてください。
DC:グッチ オステリアで出している料理の中での私のお気に入りは「Summer in Adriatico(アドリア海の夏)」です。自分の家族や故郷での思い出が蘇る、心の中の特別な場所を占めている料理です。
HJ:グッチ オステリア ソウルで初めて私が手がけた、「Seoul Garden(ソウルガーデン)」です。レタスやハーブ、花、バルサミコ酢風味のパルミジャーノ チップス、アンチョビなどの上に食用の蝶を飾ってシトラス ヴィネグレットで味付けをした、ブーケのような一皿です。爽やかで芳しく視覚的にも楽しいので、いつ見ても笑顔になってしまいます。
Q.最もインスパイアされた料理は?
DC:私が作る料理のDNAはイタリアにあるので、やはりきっかけはイタリア料理になると思います。アジア料理も魅力的ですね。韓国料理、そして日本料理やインドネシア料理も大好きです。
HJ:韓国料理、イタリア料理、フランス料理、日本料理です。
Q.お二人の料理の哲学について教えてください。
DC:私が料理をする上での哲学は、お客さまの体験を最優先にする、ということでしょうか。料理の世界には厳格なテクニック上のルールがありますが、私は常に最終的なゴールに目線を合わせています。つまり、料理、サービス、雰囲気など、すべての体験を楽しんでいただくということです。サステナビリティももうひとつのキーワードです。我々が料理をする上で必要となるあらゆる人的資源(ワーク ライフ バランス)、環境的資源(材料、風景、エネルギー)を網羅する、総合的なテーマだからです。この2つが、私が料理をする上での柱となっています。
HJ:私は韓国の釜山で生まれ、幼少期の4年間を南アジアで過ごしました。料理を学んだのはバンクーバー、ニューヨーク、パリ、そしてイタリアです。和食レストランを経営したこともあり、今はソウルで暮らしています。さまざまな文化や味と出会ってきたからこそ、その経験が自分の料理に生きていると思います。私も、次の世代のために世の中をより良くするサステナビリティの価値を強く信じています。
Q.一番好きなイタリア料理、あるいは韓国料理は?
DC:2016年に韓国に来て数カ月後に出会ったキムチ チム(豚肉とキムチの蒸し煮)が忘れられません。繊細な辛味のキムチと口の中でとろける豚肉を合わせて蒸し煮にしたもので、記憶の中に鮮やかに焼き付いています。韓国人の妻や義理の両親のために自宅でよく作るレシピでもあります。
HJ:イタリア料理ではタリオリーノ タルトゥファート(トリュフのタリオリーニ)。韓国料理だと、お茶漬けを添えたボリ グルビ(大麦で熟成させたイシモチの干物)です。